2016年 11月 21日

港川人の釣り針について

週末に那覇に出て県立博物館で開催されていた「港川人の時代とその後」琉球弧をめぐる人類史の起源と展開を見てきました。感想はやや複雑で、というのは展示物が非常に多くて、教育的ではありましたが、焦点が定まりにくいのです。
目玉の展示物、2万年前の「釣り針」を楽しみにしていました。たしかにびっくりするような綺麗なものでじっと見ていますと、男性おふたりがそばに来て、これか、論争になるのも無理ないかな、というふうに話していました。どういう意味かと、聞きますとこれは人工物でなくて貝だか骨だか、自然物というものである可能性を主張する方もいるようなのです。
この展覧会は始まったばかりで、実物を見てからの意見ではないかと思います。
わたくしも見事なかたちではあるものの、針糸を通す穴があってもいい部分が折れているので惜しいなと思っていましたので、なるほどと思いました。穴があれば100%人工物でしょうが、穴がないのでまだ未確定というのが一つの取れる態度かもしれないと思いました。
いずれにせよ1.5万から2.5万年の大昔に港川やサキタリ洞には古代人がいたことは間違いないし、かれらが日々何かを食べていたことも確かなので、魚を釣るための道具があっても不思議はない。しかしこの目の前にある釣り針がそのために古代人が作ったのか利用したのかはもうすこし時が経たないと、確定しない、そういうふうに理解しました。
釣り針の写真はあとでペーストしておくことにします。

c0075365_15384413.jpg


下にネットにあった釣り針の写真と港川人の想像図を掲げておきます。

c0075365_15442772.jpg


c0075365_15445453.jpg


# by yanagidamitsuhiro | 2016-11-21 15:40
2016年 11月 17日

バナナ12キログラム

このあいだ京都の高校に行った時に「先生はブログにバナナのことしか書かないのですか?」と言われてしまいました。
その通りです。今のところ。
それで続きなのですが。今朝収穫した一本というのか、ひとかたまりは重さを量ったら12キロありました。非常に重い。
なんかかなりの充実感があります。
それだけですが。
妻は宅急便で子供達(孫達)に送ると張り切ってます。

c0075365_11372310.jpg


# by yanagidamitsuhiro | 2016-11-17 11:38
2016年 11月 12日

京都市立 西京高校生たちと交流

昨日は京都市の御池西大路にある西京高校で講義をする機会がありました。2年ほど前に滋賀県の安曇川高校で講義をして以来、高校生に会う貴重な機会です。この西京高校には中学校も併設されているのだそうで、生徒の相当数は6年制になるようです。
ぜひやって欲しいという話をもってきたFさんの要望もあり、わたくしの研究内容よりはむしろいかにして自分が生命科学を研究するようになったかを主にはなしてみました。
周囲には高校生はひとりもいないので、まともにコミュニケーションできるかどうか、たいへ心もとなかったのですが、まあ無事に終われたことは以下の講演後の写真を見て頂ければおわかり出来るでしょうか。
講義で使用したスライドも2枚ほどだしておきましょうか。

c0075365_15434769.jpg


c0075365_1548521.png


c0075365_15492533.png


わたくしとしては今どきの高校生とはどんな若者達かなにか得るものはあるか、ということで講義の後の質問というか応答をたのしみにしてましたが、思いの外に率直な意見や感想を聞かれてほんとうに興味深く感じました。
仲間達が大勢いるなかで自分のなかにある真剣かつ率直な感想などはなかなか言えるものではありません。えらいなあ、と思いました。
彼らがいかにして生きるか真剣に考えていることがありありとわかって、もっといろいろ意見を交換したらわたくしにも非常に有意義だろうなと想えました。ほぼ2時間くらいの最近ではやったことのない長さだったので疲れて、終わりにしてもらいましたが。

短い交流でしたが、わたくしなどの世代とはなにか確実に違うという、印象も持ちました。
その場での印象ですがわたくしなどはやはり生きるということについて、雑にというか直感的かつおおざっぱにかんがえていて、男はなんとか、という博徒的な思考が色濃くありました。
今の若者にはそういうところは微塵もないことを強く感じました。彼らの方が今いきることに集中してこだわるのだろうな、と思った次第。わたくしなどは、これが駄目ならあれが、という調子でいた。
生きる目標にしつこくなったのは随分年をとってからです。

ともあれ無事に終わりました。この年でも高校生とまだまだ交流できそうでう。
西京高校のホームぺーじにいったら、赤崎先生の講演会もあったことを知りました。また本庶先生の京都賞の記事も載っており、親しい先生がたおふたりも既に関わっていることを知りました。
スーパーグローバルハイスクールということのようですが、人材を作るには学術の世界では30年くらいかかるというわたくしの持論からすればこれからもこのような良き校風を長く維持してもらいたいです。

もう一枚沢山の高校生をお見せしましょう。

c0075365_1672127.jpg


# by yanagidamitsuhiro | 2016-11-12 16:14
2016年 11月 06日

講演会 人の老化度を反映するメタボライト

ツイッターのほうで申し上げましたが、東大の分子細胞生物学研究所で11月15日にセミナーをします。
演題は以下の通りです。会場は研究所B棟301号と聞いております。要旨もその下に貼りました。
学会のなかでしゃべることはあってもセミナーというかたちではたぶん長いこと東大構内ではやってないと思います。
ご興味があるかたは、どうぞ.
世話人の先生に公開なので出席はどなたもOKです、と聞いております。

演題:  人の老化度を反映する血液メタボライト
 Individual variability in human blood metabolites: Identification of age-related differences

老化は特定の名前のついた病気ではないが、本人や家族さらに社会的にも大きな課題である。老化は本人を見た目でも比較的容易に判断出来るし、身体能力などの測定でもかなり正確に評価できる。しかし、血液検査のようなchemical biologyの方法で老化度を測定することは思いの外に困難である。ヒト血液メタボロームは、ヒトの体の状態を低分子メタボライトを通じて、定量的、化学的、包括的に反映しており、遺伝的、エピジェネティック、生活習慣といった複合的な要素によって影響を受けている。そうした側面が個々人の老化度を測定する上で有用な情報を含んでいると考えられる。
我々は、京都大学病院老年科の近藤博士のグループと共に、人の老化に関わる血液メタボライトの研究を行ってきた。特徴的な研究手法として、試料の‘新鮮さ’に主眼をおき、全血(Blood)、血漿(Plasma)、血球画分(RBC)を迅速低温処置することで、高い再現性を実現した。高速液体クロマログラフ質量分析(LC-MS)を用いて、健康な若年者(29±4歳, 15名)と高齢者(81±7歳, 15名)の血液メタボローム(非ターゲット)解析を実施した結果、同定した126化合物について統計学的な手法によりそれらの個人差の度合い(CV)を明らかにし、高齢者において低下あるいは増加する代謝物として14化合物を見出した。それらは腎臓・肝臓機能や筋肉維持、酸化還元に関わる代謝物であった。

発表論文: Chaleckis et al., Individual variability in human blood metabolites identifies age-related differences.  PNAS 113(16):4252-4259.

幹事:膜蛋白質解析研究分野
主催:東京大学分子細胞生物学研究所
後援:公益財団法人応用微生物学・分子細胞生物学研究奨励会

c0075365_15583444.png


c0075365_15585757.png


c0075365_15591940.png


# by yanagidamitsuhiro | 2016-11-06 16:00
2016年 11月 01日

米国大統領選についての感想

11月に入りました。今月は米国の大統領選挙がある。
クリントン氏かトランプ氏か。常識的にはクリントン氏でしょうが、なかなか安全圏にはいらない。
土壇場でFBIがもう一度捜索を開始しているとのアナウンスもあり、投票予想はぎりぎりの差とか。

日本に限らず世界中の国々がどちらがなるかに相当な関心を持っているはずです。
わたくしはやはり米国初の女性大統領に強い抵抗感が米国の男性有権者にあるとおもっています。
クリントン氏は救国のヒロインとは決してみえません。
すでに夫と共にファーストレデイとして、ホワイトハウスに長年おりました。
その後現大統領の国務長官としても4年間もおり、十数年間にわたって米国政界のトップの人物であり、その間いろいろな出来事もあり、言葉は良くないですが、手垢が沢山ある方です。

新鮮さには乏しい。その方がこれから米国の命運を握るトップとして活躍する。うんざり感もあるし、女性の権力者への男性側からの恐怖心もあるにちがいありません。

しかし、ドイツ、英国もはや女性首相です。台湾にしても、ビルマにしてもいま危機にあるとはいえ韓国も女性トップ、世界の趨勢は女性の政治指導者をもつことに躊躇はありません。
そういうわけで、米国も結局僅差でもクリントン氏が当選と予想します。

それで世界のトレンドが確定する。今後は女性の後継者候補を持たない政治権力者の基盤が弱くなる時代がやってくるに違いありません。中国なんかもひどく男性優位的ですが、世界の大国としてそうもいかないでしょう。
わたくしは個人的にはクリントン氏が軍事的な問題をどうあつかうかに関心を抱いています。昔風な表現をするとタカ派かハト派なのかしりたいです。それからもうひとつ夫は完全に黒子としてやっていけるのだろうか、ということです。
トランプ氏が勝ったらみなさん困るでしょう。米国内政の混乱に基づいて、混沌の時代がやってくるに違いありません。
しばらくは米国人が自分の国の政治をどのようにするのか、見物します。

女性の政治トップ、そういう点、日本はひどく出遅れています。これからどうなるのか。まず東京都知事がおちついて行政に集中出来るような状況が生まれて欲しい。またハッキリとした味方がもうすこし増えるといいのですが。
彼女が穏当に成功すると、あとから続々と出てくるような期待感もあります。

# by yanagidamitsuhiro | 2016-11-01 10:26
2016年 10月 12日

那覇大綱引き 見聞記

このあいだの日曜日、那覇祭りのメインイベントの大綱引きを見に行きました。沖縄に来だしてからもう12年も経つのに一度も見たことありません。ラボでは誰も話題にしないし、生粋のしまんちゅーもそれほどよくいわない。しかし、まあとりあえず見てなにかひと言言えるようになりたいということで、いきました。
結果はおもいのほかおもしろかった。しかし、つかれましたあ。どう疲れたのか、どうおもしろいのかそれは、以下の写真とビデオを見たあとで書きましょうか。
ここまで書いてわかったのですが、このブログは動画はどうも駄目みたいです。
追加記述ですが、ツイッターの方に動画を二つ載せました。

残念ながらいくつかのビデオお見せできないのです。
それでまずいえることは綱が世界一というだけ確かに凄い。40トンとか。
男綱と女綱あって、見せているのは男のほうです。

この綱には1万人が取り付いてひっぱれるとか。長くそしてものすごく重そうです。
動くのかという素朴な疑問がありますが、ゆっくりゆっくりです。横からみるので、巨大な綱がじわじわ動くのがわかります。参加者は皆興奮していますが、とくに米国人と思える人達はこういうのが大変好きのようで非常に興奮していました。

わたくしは、拡声器からくる音量があまりにも大きくて、これが原因で非常に疲れました。耳栓が必須です。うるさい音に弱い人は。
ビデオが見せられないのはほんと残念ですが、引き合いだして、勝負がつかず、えんえん続きます。

やるのが一万人周囲でみるのが8万人とか。
なんとなんとこれが40分くらい続くのです。驚きました。
最終的に西が優勢勝ちとか。

わたくしは30分の綱引き見物に疲れ果て、そもそも男綱と女綱をつなぐのに1時間以上もかかっており、始まる前にも周囲を歩いたので、2,3時間立ち続けて、すっかり疲れて帰途につきました。


読み返すとやたらに疲れるが反復しますが、臨場感があっていいような気がしてそのまま残しました。

c0075365_15511739.jpg


c0075365_15515717.jpg

c0075365_15523061.jpg

c0075365_15531279.jpg

c0075365_15534088.jpg

c0075365_15544260.jpg

c0075365_1615270.jpg


# by yanagidamitsuhiro | 2016-10-12 16:16
2016年 10月 02日

比良の山々のもたらすしあわせな季節感

ことしの7月、8月、9月の3ヶ月はなかなかきつかった。
内地にももどらずかなり長期間、沖縄でデスクワークも含めてハードワークの日々でした。

内地にまとまって戻った時は妻の個展でもあり、会場にいって色々な人達とお話し、慣れぬ客対応もあって。
沖縄ではかなりの頻度で朝、晩の食事は自分で作ってますから。週末ともなる一日3回の時も。
これも疲れの原因かも。
この3ヶ月、いろいろなものが体内と頭に溜まってくるのが分かりました。溜まるのは疲労、そして老化の原因、とよく理解できます。

そのうえ、論文のほうはどれも異なった意味でわたくしには難関のものばかりで、どんなに勉強しても分かった気になれないミトコンドリアとか。これが特別にきつかった。
幹細胞のモデル系と見なしているG0期からの脱出に関わる制御、この論文も紆余曲折を経て姿をあらわしだして。その点は幸せ。
さらにはコヒーシンとCut1の相互作用とか、共同研究の成果が果実化してます。この果実はどこまでいけるのか。
息抜きがほとんどとれないデスクワークの連続でした。
しかし、夏は終わったのに論文はまだなかなか終わったといえないので、正直つらいです。

でもこの週末比良のほうに行って風に吹かれただけでしたが、変わらぬ山々の季節の変化を味わったら元気がでました。

写真は比良の家から国道の道までの散歩道に咲いた彼岸花(曼珠沙華ともいいますね)、それに今年も沢山の収穫をもたらしてくれた栗です。琵琶湖西岸の風はいつもと同じに吹いて、秋の味覚もいつもとおなじ、同じことが幸せ感をもたらしてくれました。


c0075365_16384935.jpg

c0075365_16373911.jpg


# by yanagidamitsuhiro | 2016-10-02 16:44
2016年 09月 16日

バナナ栽培余聞

バナナは年間一回、収穫するものとおもっていましたらそうではない。二回はいけるというのが今日のお話です。
8月のいつでしたか、ある日バナナを見ていましたら、てっぺんに他とは違う赤い葉っぱが見えます。じっと見ますと、どう見てもこれだけ異質です。

もしや、と胸騒ぎはしませんでしたが、でももしかしたらまたバナナができるのでは、と期待の念が。

この仮説は二日ほどで真実であることが判明しました。この赤い葉っぱは折れて紫みが強くおびてきました。この色は知っています。バナナを包む袋みたいなものです。
人によってはこのたとえ嫌がられそうですが、でもわたくしは心の中でバナナの妊娠と思いました。

あとは文章よりも写真を見てもらった方が分かり易いでしょう。
なんとそのうちもう一本のバナナがやはり紫色となった袋を持つようになり、その後ひやひやした台風の後に袋の葉も飛んでしまい、昨日あたりはこの二つのバナナの房(というのか)の立派な姿が見えるようになりました。

これから3ヶ月ひどい台風でも直撃がないかぎりすくすく大きくなるでしょう。なお肥料には折々に油かすを地上にまいているだけです。

なお今写真を見てみますと、順序が間違っています。
どうしてそうなったのか、よく分かりません。気をつけたつもりですが。

最近は愉快になる話題で書けることはほとんどないので、どうもバナナばかりをかいてすみません。

なお記事ランキングというところを見ると最近のもありますが、昔のわたくしがまだ京大の現役だった12年以上前のやいまの場所の創設時代の5年くらい前頃の記事が入ってますね。

ご愛顧ありがとうございます。


c0075365_8203261.png
c0075365_8192443.png
c0075365_8182914.png

c0075365_829975.jpg
c0075365_8244471.png

c0075365_829975.jpg

c0075365_8321847.jpg

c0075365_8215669.png


# by yanagidamitsuhiro | 2016-09-16 08:38
2016年 08月 25日

伊江島の城山(タッチュウ、グスク)に登る

孫達といっしょに伊江島に行って、島の真ん中にある岩頭、通称タッチュウもしくはぐすくに登りました。
伊江島はこれで三度目じゃないかと思うのですが、前二回はこのシンボル的な場所にのぼりませんでした。そばまでいってちょっと眺めた感じ。

伊江島は離島ですが、でも市街地的な場所もあり、名護市の郊外に来たような錯覚をおぼえます。
船も大きくて沢山車も乗ります。時間も30分で本部港から着きます。

でもやはり離島感はしっかりあってなかなか捨てがたい味があります。
ただ、行政的にはイエソンというのですが、独立心が強いらしくて島のなかにある村立の場所などにはおらが村さ的な独善役所感があったりして閉口することもあります。

それでこの島のシンボルの登山ですが、わたくしはなぜか標高25メートルと完全に勘違いをしていました。軽い軽いすぐ昇れると。

ところが実際には170メートルの標高がありました。
大変暑い日で中腹にある土産物店よりもずっと下から登山道にはいって、本当の登りが始まった時にはもう疲れていました。
孫三人はスイスイ。
妻と娘の女性二人は疲れたとは言いません。
わたくしは途中でこれ最後までいけるかな、と不安に思うくらい急な階段が延々と続いて、参りました。
よく見ると妻はやはり疲れたらしくて、汗が目に入ってたいへんといっています。
わたくしは暑さにやられてやっとこ足が上がる感じ。
階段にあった鎖がなかったら途中で挫折したかもしれません。

でもそうはいっても標高差150メートルくらいですから、とうとう頂上に着きました。
眺めはすばらしく、海も山も、島の整然とした耕作地もすべてよく見えました。
これで大学からよく見える島にあるポチッとした尖塔が実体はなかなかのモノであることを体で実感、認識しました。
もっと涼しいときにきてまた昇りたいです。
その時はちゃんとトレーニングしてスイスイ頂上まで行きたいです。

帰りの港で島特産のラム酒を買いました。いけそうです。
ピーナッツは誰でも知っています。

c0075365_2113462.jpg


c0075365_21145988.png


c0075365_21164623.jpg


# by yanagidamitsuhiro | 2016-08-25 21:23
2016年 07月 26日

ある危機感

fund agencyとは研究費を研究者の申請に応えて審査して、目的にかない内容の優れたものの申請者にあたえる機関のことをいいます。我が国では大きなものは国もしくはそれに準ずるものです。米国や英国では民間財団の資金力が強くたとえばがん研究などは英国では民間の財団に著しく負っています。

わたくしが今日こんなタイトルで書こうと思い立ったのは、日本の生命科学関係の研究費はかなり危機的な状況にあり、だれかが意図的に引っ張っていないのに、ある方向にずんずん向かっている。大げさにいえば破滅的な状況かもしれないが、誰かが意図的にしてないがゆえに、批判すべき特定組織があるわけでもなく、研究者がまるで自発的にそういう方向に向かっているかのようで、それがわたくしの危機感を高くしているのです。

研究チームは育てることにより優れた成果を上げることができます。
若い研究者が一人で頑張ってやっていたことが周囲の評価をうけ、研究規模を大きくしてますます成果を上げる。日本はこの部分はまあうまくいっているのです。すこし辛口にいえば若手で目立つ成果を上げる人達がかなりすくないので、funding agencyもこのレベルの研究者を待ち望んでいるからです。
一つ目立った成果を上げると、5年くらいの研究費を得ることができます。うまくいけば次なるステップにいけるかもしれません。
次の段階は目立った研究成果を複数連続的にあげた研究者の段階でこのクラスは大学なら教授になれるはずです。研究費も年間3千万円とか5千万円以上になるでしょう。それぞれの分野で我が国の代表研究者になっているはずです。この層の研究者はいまの日本それほど多くないこともありだいたい手厚く対応される可能性が高いです。少なくとも研究費のラウンドを一回あたり5年として、10年くらいまでは。
このレベルで新顔のリーダーが沢山出て、切磋琢磨が起きることが望ましいに決まっています。
問題は、この層の研究をその後国はどのようにあつかうか確かな方針はどこにもないのです。
40代前半か半ばで高い研究能力と運営遂行能力に達した研究者はどのようになるのか、誰かからはっきりした意見を聞いたことがありません。ある程度の規模に達したラボが研究費を絶たれたらどうなるか、あまり想像したくありません。しかし、いまの日本そういうことが沢山起き出しているのです。
もしかしたら、ラボは見かけ続いているかもしれません。でもほんとうにやりたいことではなくて、研究費を獲得するため、さらにはラボに新顔の学生やポスドクを得るためにプロジェクトが言葉は悪いがねじ曲がるもしくは長い目でみればほとんど無意味な研究の方向に向かっているのかもしれません。
頑固にやりたいプロジェクトを出せばそれは研究費をもらえなくなる。人件費も払えなければ若手研究者家族もろとも放浪せざるを得なくなる。

現今の日本の研究の問題は、国を代表するような研究者たちが長期的な研究費を絶たれて、実質的にラボを閉鎖するかもしくはやってはいけない研究の方向に向かってなんとか延命を図るかの岐路に立たされているのです。
このようなエピソードは少数の研究者しか該当しないと思われる方々もいるでしょう。
しかし、ニュートンもダーウインもファラディーも一人しかいません二人も三人もいらないのです。
国の学問の水準は結局切磋琢磨の最後に残ったごくごく少数の人々によって評価が定まるのです。
ある水準以上に達した研究者たちは自由にやらせることが一番大切
。周囲は羽目を外しすぎたら止めるぐらいでいいのだとおもいます。

研究費を与えるfunding agencyの側は祈るような気持ちで研究費を各研究者に渡しているのでしょう。
有効に使われて素晴らしい成果が生まれることを。
そのお金でまさに無から有が生ずるような成果が生まれるかもしれないのです。
研究者の情熱が非常に高ければ、その可能性は高いのです。
非常に高い水準の研究が多数あって初めて世紀にひとりとかふたりの歴史上の科学者がうまれるのです。
わたくしはいつもそう思っています。

# by yanagidamitsuhiro | 2016-07-26 10:49
2016年 07月 25日

妻の日本画個展、京都にて

バナナ、試食しました。びっくりするくらいおいしいです。やはり流通をへないのはおいしいのだとあらためて実感。

昨日日曜は京都寺町御池下がる鳩居堂の隣にある画廊カトー(2階)で妻の日本画個展の搬入と展示準備につきあいました。といっても、わたくしは見るだけです。妻の友人達が何人か駆けつけてきてくれました。

妻の日本画はもう20年たつのだそうですが、ほんとうの初心者から始まったのですし、絵のトレーニングなど皆無でしたからよくここまで来たと感心です。運良く学生時代の友人の紹介で大津市の絵画教室というのでしょうか、そのコスモスというグループに参加させてもらって、折々のグループ展に参加していました。ですから、今回の出品作30点の大半はそのグループで描き続けて来たのです。

毎年の私どもの年賀状は妻の作品の写真でした。誤解されている方もいたようでしたが、わたくしは絵を見ることは好きですが、まったく描きません。わたくしの父親はずっと洋画の静物等を描いていましたので、妻の個展をあの世で聞いたらびっくりするでしょう。

明日から、31日までの会期です(午前11時から午後6時、最終日は午後4時)。
見かけは外交的ですが、やはり専業主婦でしたから、かなり引っ込み思案です。
この一週間は家庭での妻が絵を描き続けてきたひとりの女性として皆さんの前に立つことになります。
妻にも得がたい体験になるでしょう。

c0075365_813177.jpg

c0075365_8135932.jpg

c0075365_8143756.jpg


# by yanagidamitsuhiro | 2016-07-25 08:24
2016年 07月 19日

バナナ、ちょっと早いのですが収穫

まだ1週間はもしかしたら10日早いのですが、収穫しました。写真の順序一部誤っていますが、許していただいて。
これが初めての南方らしい植物からの収穫です。
一本(と呼ぶのか)ちょっと腐ったのがあってそれがすぐグスグスになって。
食べたらまあなんとかいけそうなので、いろいろスケジュールもあってカットして家の中に入れました。
さていつ頃たべられますか?
首を長くして待っている人達には宅急便で昨日送りました。


c0075365_8425346.jpg


c0075365_84449100.jpg


c0075365_8441546.jpg


c0075365_84623100.jpg
c0075365_8453865.jpg


# by yanagidamitsuhiro | 2016-07-19 08:51
2016年 07月 09日

草舟でたどる日本人のルーツ

東京の博物館にいる海部さんという研究者のかたたちが、南から沖縄にやってきた、古代人は草船に乗っていたのだろうと推測して実践航海をするという報道を見ました。
木の船を作るために必要な道具がまだ無い時代の航海なので、たぶん堅い貝殻を使って草をきったのではないか、という推論です。
なるほど草船とは、とテレビ番組でみて感心した記憶があります。
海部さん、わたくしの知っている天文学者の海部さんのご子息ではないかとなぜか思った記憶があります。学術会議で会ったことのある海部さんは元気良くはつらつとしゃべるのでご子息ならなるほど、とわたくしが勝手に思ったのかもしれません。

このあいだテレビでたまたまその草船が出ていました。これで台湾から沖縄まで漕いで来るというのです。いそいでパチリと携帯で写真に撮りました。ちゃんと草の舟でたどる日本人の“ルーツ”とたいへん正しく魅力的なタイトルが付いています。
たしか、7月になったらほんとうに漕ぐと聞いた記憶があるのですが、その後記事をみてません。
沖縄の地元紙を読んでないので。見落としがあるかもしれません。


c0075365_17571916.png


いまネットで検索したら、
今月12日、当時を想像して作った草の舟でおよそ75キロの航海に挑戦することになりました。

ということですから、三日後に挑戦するようです。台風の後の影響が余りないといいのですが。
成功を祈ります。

# by yanagidamitsuhiro | 2016-07-09 18:06
2016年 07月 02日

石垣白保で古代人骨が発見される

石垣島の白保で古代の人々の骨が発見されたというニュース。期待どおりとはいえ、胸が高まります。
新空港の脇のすぐ傍にある、洞窟で何体でしょうか10体くらい見つかったというニュースでした。
やはり生活に関わる付随したものは何も見つからないということなので、埋葬地ではないか、という新聞記事でした。
わたくしはかつて、白保海岸に立ったときに、心が震えるような感覚を覚えました。
こここそ日本人の起源になるような人々が2万年か3万年前にたどり着いたのだろう、と。思い込みかもしれないが、しかし確信に近い感覚でした。
胸の鼓動と頭をかけめぐる感動の高まりが、とうとうわたくしが来るべき場所に来たという感覚を益々確かにしました。
人がひとりもない海岸であったことg感覚をますます確かなものにしたのかもしれません。

100年近く前に柳田国男は沖縄が最古日本人が住んだのではないかとおもい短期住んだこともあり、しかも弟子に遺跡に米の化石がないか確かめるように言いつけていました。

2012年に初めてわたくしが石垣を訪ねた時にこのブログで、以下のように書いています。

昨日で唯一残念なことは、珊瑚で有名な白保の里付近で見たいものは全部見たのに、柳田国男氏の歌碑を見つけられなかったことです。何を彼は歌ったのでしょうか。

そうなのです。歌碑を妻と一緒に随分探したのですが見つかりませんでした。
今回の人骨は空港のそば、島の内陸側ですが、今後発掘がすすめば驚くような発見があるに違いありません。
長期間の保存が可能となった沖縄の地質環境に感謝。
私の古代沖縄人の探索は港川から始まったのですが、最近は興味を持つ人もどんどん増えているようです。
日本と沖縄の未来にとって素晴らしいことです。

# by yanagidamitsuhiro | 2016-07-02 21:39
2016年 06月 29日

さらなる有明珍味

この間の久留米の夜食べたものの追加。もう一つしておきたいです。
真ん中に見える長いしっぽみたいなもの。
めかじゃというらしい。
料理したものはこのしっぽみたいなものの中に入っている肉を食べる。貝の種類なのでしょうが、たしかイカみたいなものと聞いた記憶が残っている。
なんかすごく懐かしい子供の頃に楽しんだ食べ物という感じでした。
ネットを開けると、みどりしゃみせんがいというのだそうです。
今では海産物資源として残るのは有明海のみ。とありました。
うーん、貴重な経験だった。
さらに、この最後に残る広大な浅海、干潟の環境もまったく無意味な開発や、家庭工業廃水などの環境汚染によって瀕死の状態である。本種も食の上からも「幻」とならないよう願いたい。
ちょっと上から目線の記述ですが、でも本当に貴重な環境、いつまでも食べられたらいい。
わたくし、なんか5,6才の頃の味覚を思い出しました。

他の生き物ですが、たしかイソギンチャクです。どう食べたか、生食ではなく、揚げたような記憶ですが間違いかも。これも珍味珍味。いやはや有明海、すごいです。他に数種類の写真が残っていますが、このあたりでやめます。

c0075365_17141774.jpg


# by yanagidamitsuhiro | 2016-06-29 17:27
2016年 06月 29日

パッションフルーツとカニステル

このあいだツイッターのほうで触れた果物の写真をだしておきます。
下がパッションフルーツで上がカニステルです。下の方、これくらいのしわの寄り方でOKです。
上は半分に切って食べたあとです。すこし残っているのはもういい、これ以上はいらないという気持ちが現れています。モサモサした味ですから。

後で妻に聞くとこれは買ったのではなくて、どこかで近隣を散歩の途中で手に入れたとのことです。
柿と思ったというのですから。

c0075365_1734494.png


c0075365_1743370.png


# by yanagidamitsuhiro | 2016-06-29 17:06
2016年 06月 26日

有明海の珍味を堪能する

久留米大学を訪問した夜、久留米の一番街で有明海の珍味を堪能しました。店はしるひとぞ知るで、実に素晴らしい店でした。店の雰囲気のよさ、料理のすばらしさ、そして集まった4人の会食者の楽しさでほんとうにエンジョイしました。
まずエツです。カタクチイワシのようなものとにているが、刺身でも揚げ物でもいけます。川魚のようだが実際には海由来でただ汽水域にほとんど住むとのこと。日本では筑後川地方でしか食せない。つまりこの一点が大切でこれは有明の幸をたべられる場所に来ないと駄目、かつ一年のごく短い期間しか食べれないのです。運が良かった。二枚写真を出します。刺身というかサラダ風にして、ドレッシングをかけて、それと揚げて。おいしい。とてもおいしかったです。

c0075365_975368.png


c0075365_982371.png



次はだれでも知っているムツゴロウです。知っている割には「本場」でだべることは稀かもしれません。蒲焼き風でたべました。後で、生きている状態のムツゴロウも見せて頂きました。順序が大切で、食べる前に見せるとやや食欲が落ちるとか。やはりひとっぽい魚なので見てしまうとなんだかすまない、申し訳ないとおもう、分かります。見た目には黒くてグロテスクにも感じますが、美味です。不思議な栄養分が体内に入るという実感がありました。食後、腹痛とか変なかんじとかまったくありませんでした。わたくしには。

c0075365_9175775.png


c0075365_9193340.png



c0075365_9175775.png


次のは乾燥したモノを焼いたのですが、ちょっと見た目にはこわい。でもおいしい。わらすぼというものです。ネットでは、スズキ目ハゼ科に分類される魚の一種。日本では有明海のみに分布し、食用に漁獲される。とありました。目が退化していて、小さな点があるだけです。メディアでは、エイリアンのような魚と表現するそうです。それより、こういう珍しい魚を食べられる幸せを感じた方がいいでしょう。有明の民の作った食文化を尊敬したいです。

c0075365_9212575.png


まだ数種類の他の珍味もたべたのですが、このあたりでおわりにします。
久留米の地酒を沢山飲んだせいか、食後の消化もよかったようでよく寝られました。

ただ、ムツゴロウとワラスボの脂というかなにかが体内に入ってついぞ経験のない味と食後感がありました。

# by yanagidamitsuhiro | 2016-06-26 09:33
2016年 06月 05日

やはり学問は論争的でないと、

ここのところ二週間で、3回講演しました。
一回は一般の方々も沢山いるところで「長寿と食」なるタイトルでした。その次は那覇市の病院で医師の方々が相手でした。この時は「人の老化に関わる血液メタボライトの探究」というものでした。それに昨日の阪大工学部での福井希一教授の記念シンポジウムで久しぶりに染色体の話をさせてもらいました。コンデンシンとコヒーシンの両方ですが、でも力をいれてしゃべったのは未発表データ沢山のコヒーシンの方でした。
その場では時間もなく専門的な質問は出ませんでしたが、パーティが終わったあとに思いがけない人にあって次々に質問があってとても楽しかったでした。本気になれる質問で、やっぱり同業者との発表後の話はのってくるなあ、と思いました。それから別の若い人から、先生の前の論文のおかげで論文が通ったというエピソードも聞かせてもらいました。予想外の結果だったので論文発表に非常に苦労したものでした。今でも結果を知らないし意義も理解されてない用なので、同じような結果が発表されていくのはいいことです。やはり学問は論争的でないと面白くないです。

長寿と食の講演の中から、三枚ほどスライドをしめしておきます。

c0075365_22471376.png


c0075365_22475240.png


c0075365_22473263.png


# by yanagidamitsuhiro | 2016-06-05 22:50