2005年 03月 17日

科学者になるには

このブログを見る人達のなかに小学生や中学生がいるとは思いにくいのですが、お子さんや兄弟、知り合いで、将来は「科学者」になりたい、と願ってる小中学生がいたらぜひ以下の文章を読んでもらえませんか?

「科学者になるためには」
第一に好奇心を育てることです。何かを知りたい、やってみたいということがあって、そのことを考えると、心がワクワクするのなら、もう大丈夫です。まず第一の資格が得られました。
第二にお父さんやお母さんの家でのお仕事を手伝いましょう。お使い、家の掃除、ペットの面倒、料理の手伝い、もしくは家が農家や商家や物作りの工場かなにかだったら、そのような仕事も手伝いましょう。お父さんやお母さんが給料を貰っているようなお家なら、お父さんやお母さんの肩たたきとかマッサージとかそういうものもやってみましょう。家におじいさんやおばあさんがいるのなら、何かお手伝いない?と聞いてください。お駄賃やお小遣いを貰うのもたいへんいいですよ。こんなことが、科学者になるのに役に立つとはまったく思えないでしょ?ところが役に立つのです。間違いありません。たとえ嫌々でもいいですから科学者になるための準備と思って、やってください。わたくしの研究室で研究がうまくいかない多くの学生達は、小さい頃にこういうことをさっぱりやってなかったのです。それでは、なぜ役にたつのでしょうか? 科学をやっていくうえで大切な能力は「見通し」とか「段取り」の能力です。もっと簡単にいうと「いかにして頭と体を動かして働くか」ということです。仕事を始めたらさっさと終わらせる能力も大切ですよ。そういう能力をぜひ高めておいてください。何かをお手伝いした後、大人の人が感心するようなできばえの結果が一つでもでるようになったら、第二の資格が得られました。
第三に教養を高めましょう。「教養」ってなんか難しそうですね。でも難しくありません。自分が興味を持ったことを素直に広げて深めていくことです。読書でも、音楽でも、スポーツでも、コンピュータでも、何でもいいです。興味を持ってることをどう拡げたらいいか分からなかったら、やはり誰かそのことについて偉い人にいっぺん聞くといいんだけれども。そういう人がいなければ学校の先生や近所の人に聞いてみるのもいいかもしれません。教養とは、自分の心と体の中にある「泉」と考えてください。一生泉から「興味という水」が湧いてくるような人生を送れればいいですね。科学者はこの泉が涸れたらおしまいです。大学の先生でもとっくの昔に涸れてしまったかたが非常に多いですから、要注意です。でも、一生泉のように涸れない興味を持ち続けるために必要なものが教養なんだなと分かったら、それで第三の資格が得られました。
第四に科学者になるためにはT大やK大やH大などの特定大学に行かねば駄目とか決して考えないでください。そんなことはまったくありません。でも大学の後で大学院というところに行って、学位というものをとらないと科学者としての資格が得られないのです。科学者の世界はいわゆる地球標準というのがあって、博士の学位がないと職業的な科学者にはなれないのです。自動車の運転免許を取るよりはずっと時間がかかるし面倒ですが、しかたありません。ですから、科学者になるためには大学院で博士の学位を取る必要があることを理解してください。でも面白いことをやるためには、人よりは長い修行時代があるのだと考えてください。だいぶ先の話ですが、途中でくたびれないように、いまから好奇心を高めましょうね。
自分はもしかして科学の天才ではあるまいかと思ってる人がいたら、自分は天才かなと、回りの人、お父さんとかお母さんとかにつぶやいてみてください。回りもそうだそうだとうなずくようだったら、ほんとかもしれません。学校の先生はあまり天才は好きでないという歴史的な事実がありますので、先生の意見はそれほど気にしないでください。このままほっておくと、せっかくの天才が凡人になってしまうと心配になるかもしれません。でもたいていは大丈夫です。天才とは99%努力といわれてますので、努力を続ければその様な天才的能力はしっかり保てるはずです。でもどうしても、心配ならいちどわたくしに一報ください。
大学までの、受験の成功とか失敗は気にしないことです。でもだいぶ先の話ですが、どこかの大学院に行かねばなりません。そこではあなたにとっての良き先生に出会う必要があります。

すばらしい科学者になるためには、どこかで素晴らしい科学者の先生にあわねなばなりません。どこで会えるか、それを考えたら胸がわくわくしませんか?

by yanagidamitsuhiro | 2005-03-17 14:30


<< 「聖母」仲間由紀恵さん      残念と切腹! >>