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2013年 04月 23日

あしたから米国へ

あしたから米国にでかけます。
たくさんの人に会いますが、どういう感想で帰国するのか予想できません。ボストンの爆発テロ事件の後ですから、空港でのチェックはかなりきついだろうと思っています。ただボストンに行くのではありません。

中国や韓国との関係が政治的にはひどく悪化したいっぽうで、経済のほうでは円安と株高がめだちTPPにもいつのまにやら参加してしまったような世相です。悲観でも楽観でもなく、でも浮ついたような気分の社会になっているのではないでしょうか。
外国から見た日本の動きはめまぐるしく、なんのことかわからないでしょう。
国内にいて当の日本人であるわたくしなども、なんのことかわかりません。
でも話題にはなっているでしょう。日本がいつのまにやら、中国、韓国に対して強腰になっているように見えるでしょう。
それも、アベノミクスという政策が打ち出されて、お公家さんのような静かな日銀マンのトップから、剛直かつ磊落で話し好きな大蔵省出身の新総裁がでてきて想像外のお金をじゃんじゃん出すという具体的な金融政策が発表されてそのあと、のあれよあれよという変化です。
これからどうなるのか、わかりません。分かる人はほとんどいないのでは無いかとも思うのですが、推測して当てる人はもちろんいるのでしょう。悲観論と楽観論の両方があるのですが、やはり楽観論のほうが耳に入りやすい。どっちみちよくわからないので。
景気、の景は景色の景だし、気は気分の気ですから、景気がいいというのは、表から見れば気分良さそうという程度の言葉なので、まあ景気が悪いよりは景気がいいほうがいいに決まっています。
植木等の映画などの復刻版みたいなものの宣伝を見ました。
スーダラ節が流行りますのでしょうか。

日本という国の成り立ちについて、晩年の司馬遼太郎氏はいろいろな考察を書きました。わたくしの不満は司馬氏が太平洋戦争まで始めてしまった日本という国の大失敗をうまく説明出来ないことでした。
明治維新のひとびとを賛美したのでどうしても同一の系統の人々が、戦争での大敗を導いて行ったとは思えないでしょうし、しかたないのかもしれません。司馬氏はまったく別のひとびとによると考えたようです。
でも実際には同じタイプの人たちが、明治維新をなし遂げ、同時に軍国主義から大戦争への突入をしてしまったのではないでしょうか。やはり維新と戦争での成功体験がありましたし。

わたくしもこのあたりのことをずっと考えています。結論などはっきりあるはずもないのですが、やはり、日本人はなんにせよ入口に入るときは、論議もして国中が騒がしいが、でも出口議論はほとんどしない。そういう傾向があるようです。
今の日本、太平洋新時代という入口にいるようですが、どうこの時代の出口をさがすのか確固とした方針は聞こえてきません。日本人がいまの太平洋レジームでこころから満足出来るはずがありません。沖縄の現状をみれば明らかです。

研究でも入口を入っていくのはわかりやすいのですが、出口を前もって充分に考察するのは非常にむずかしい。未来のことですから。

自分で言うのもなんですが、年寄りになったせいか、出口らしきものが若い頃よりは見えるのです。

それでいろいろああでもないこうでもないと考えたあげくに、日本は忍の一字でこれから20年、30年いまの日本のような社会をなんとか維持していくのがいいのではないか、と思うのです。
なーんだ、と思われるかな。
現状肯定ではなく、日本は相手が先にこけてくれるのを待つしかないと言うことです。相手がこければ日本にとって明るい出口もみえてくるのでしょうか。
いまの10代の少年少女が社会の中核になる時代まで待ちましょう。

カウンターの米国の10代の世代がどういう評判なのか機会があれば聞いてきてみたいと思っています。

by yanagidamitsuhiro | 2013-04-23 22:48
2013年 04月 18日

80歳で博士号取得の妹尾一成さん

80才で工学博士を取得した大阪の妹尾さんの朝日記事がほろりとさせ、かつこのような人こそ今の日本が一番欲しい人なのだと思いました。

http://digital.asahi.com/area/osaka/articles/OSK201304170125.html?ref=comkiji_redirect

博士論文は「木質バイオマス炭化によるカーボンシンク効果の評価に関する研究」。木炭を土中に埋めると大気中の二酸化炭素を減らせる。その炭を効率よく焼く炭化炉を設計した。炉のメーカーで長年培った経験と技術が生きた、なのだそうです。


指導する、石川教授は、実習が多い工業大で教える時は、博士号よりも技術士などの資格がものを言うと実感している。「企業や現場で働きながら、発明や技術革新を成し遂げる人も多い。一方で、博士号は足の裏の飯粒といわれる。その心は『取っても食えない』」と言うのだそうです。
まあそういわれてもしかたないかな。

しかし、妹尾さんは博士号を取った。なぜ? 「資源がない日本のこれからを考えたら、一人でも多く博士号を取って、新しい技術を世界に発信しないとあかん。自分が食えるだけじゃ駄目なんや」と。妹尾さんは、「『博士』の名刺を持って、農林水産省や環境省に炉の設置を交渉しに行きたい」と話す。その博士号を生かすためにも、「あと20年、100歳までがんばる」という。

その意気やよし、ぜひともやって欲しいものです。奥さまもえらい。夫が学位をとれとれと大学院生になるのを励ましたという。
それに、論文の英訳やパソコンの使い方は同じ研究室のサウジアラビアからの留学生、スレイマン・ビファリさん(45)に習った。大学帰りに居酒屋で、イスラム教徒のスレイマンさんはウーロン茶を、妹尾さんは焼酎を飲みながら、お互いの研究について話し合った。

この部分が泣けます。パソコンが不得意、外国語が不得意だと、論文書きはホントつらかったでしょう。その時に、サウジアラビアの留学生が助ける。
なんともうるわしい。いい話です。

明治の時代に戻ったような,意気にあふれた話ですが、でもこの長寿の日本にふさわしい80才のほやほやの博士さんです。
こういう話をずっと聞きたいと思っていました。
そしてとうとう聞くことが出来ました。

若くして、4人の弟妹を養わざるをえなくなっても、向学心を失わなかった妹尾さんはえらい、
そしてそのような、妹尾さんを育てたお母さんがえらい。

45年6月の大阪大空襲で自宅は焼失、一家は岡山に疎開した。まもなく母を結核で失い、父も療養所に隔離された。
勝ち気だった母の遺言は「技術者になれ! 大阪に出て、人の何倍も働け」。

だったそうです。

by yanagidamitsuhiro | 2013-04-18 21:51
2013年 04月 11日

威嚇から本気モードへ、日本大学のアジアでの評価

北朝鮮のミサイル発射がもうすぐらしいのですが、明日だと、飛行機が予定通りに飛ぶのか気になります。北朝鮮、いったいどこまでやるのやら。すごいことから,単なる脅かしと両論ありましたが、段々前者のほうに世の推測が移りだしています。よもや、核を使うとはおもえないのですが、でも悪夢的ならありうるのでしょうか。威嚇なのか、本気なのか。段々威嚇が本気に近づいて来たように見えるのですが。そしてその本気とは、狂気に近い本気から、米国に本気で噛みついていこうとしている程度の本気か。その場合、日本にとっては対岸の火事と言えない状況になっていくのではないか。北朝鮮は通常兵器は貧乏だが、ミサイルだけは大国クラス、と小耳に聞いたような気もします。

以下、読売新聞の記事です。
英高等教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」は10日、アジア地域(アジア、中東)の大学ランキングを初めて発表し、日本からは東京大が1位に入るなど、22校が100位以内に入った。
 順位付けは、研究者による評価、論文の引用数、指導環境などを総合した評価に基づいている。日本以外では、台湾大など17校が100位以内に入った台湾や、10位以内に浦項工科大など3校が入り、100位以内に14校が入った韓国などが健闘した。上位5校は東大以下、〈2〉シンガポール国立大〈3〉香港大〈4〉北京大〈5〉浦項工科大――の順だった。
 日本勢では、京都大(7位)、東京工業大(13位)、東北大(15位)、大阪大(17位)、名古屋大(26位)など国公立大19校のほか、慶応大(53位)、早稲田大(57位)、順天堂大(60位)の私立大3校も100位以内に入った。

アジア中東の大学に子弟を送る人々のための指針になるような記事を書いているのでしょうが、英国の調査機関の見る目がこういうものだとわかって参考になる、それ以上はあまり考えてもしかたがないとおもいました。
でも外国人の目でみれば、大学生活、卒業後のキャリアーを考えたらこういう順序と知ると、わたくしが長年いた、京大は、シンガポール、香港、北京、浦須工大より下と評価されたのか、いったいどのあたりが足りないとされたのかは知っておきたいものだと思いました。
京大は日本人学生と外国人学生が乖離しているな、とよく思いました。せっかく海外から来ても京大生らしい若者とつきあうにはよほど日本語が堪能でないと無理でしょうから。
その点、東大は英語をしゃべりたがる秀才、優等生が多いから,学友も沢山出来やすいし、東大、京大の差は当然でしょうか。

by yanagidamitsuhiro | 2013-04-11 22:05
2013年 04月 07日

Jの閉店

きのうの天候はひどいものでした。
まだ風がつよいのですが、国道をぶらぶら歩いて、たまにいくJという喫茶店というかパン屋さんというような店に寄りました。
なんと3月半ばで閉店していました。
新しいホテルMもすぐそばに出来ることだし、空いているとはいえ、よもや閉店はないだろうと思っていたのですが。
あのすごい静かな青年というかたぶん青年よりは年上の男性とももう会えないし、Jの静寂を好んだわたくしにとってあのスペースと時間を失ったのはとても大きいものでした。

実はきょう今から思うと,入口からなんだかヘンだとな思っていたのです。
そもそも舗道上にあった小さな看板がなかった。
パン屋にたどり着く小さな50メートルほどの小径がなんだかひとけがなかったのです。
木の階段を上がるときには、店を見なくてももう閉店してしまったのだ、ということが予想されました。でも犬は一匹いました。

わたくしの好きだった空間はひとつずつ無くなっていくのだな、と実感しました。
百万遍界隈でも。でも百万遍にはまだまだ沢山のスポットが残っていますが。
ここ恩納では、いうまでもないことです。

店のドアには、丁寧な心のこもった閉店の挨拶状がありました。
事情があって名古屋に帰ったのだそうです。
もう喫茶店はなくなり、そのうち鉄板焼きやさんになるのだそうです。

by yanagidamitsuhiro | 2013-04-07 23:01
2013年 04月 02日

朝日の社説氏の考え、ずいぶん違う

日本の論文数の問題について朝日新聞の社説の意見はわたくしの考えとはずいぶん違うものでした。
http://digital.asahi.com/articles/TKY201303310216.html

日本の科学力―研究の場を育てる意味 というタイトルです。
問題となる状況について3つの原因を挙げています。
原因の一つは国際共同研究の流れに乗り遅れていることだ。欧州各国は意識的に「多国籍研究」を進めている。米国の共著相手トップに躍り出た中国は、米国留学組が帰国後も共同研究するケースが多い。
 もう一つは、学際・分野融合的な部分で次々に生まれているホットな研究領域へのかかわりが弱いことだ。たとえば、数学や工学、生化学、感染症学などの境界ですすむ「ネットワーク科学」への関与は薄い。
 大学の学部や学科の壁が強固すぎるのではないか。内向きの姿勢をあらため、世界の潮流を見失わないことが重要だ。

この処方箋で論文数は増加に向かうはずだとの意見でした。
ホットな研究領域で国際共同研究をして,世界の潮流に乗りなさい、そして学部や学科などの壁を取り払いなさいと言う、ご託宣です。
重点化集中化された先鋭的な研究者像しか見えないようです。
草の根の学問はずいぶん違うものなのですよ、と言いたいです。その草の根が日本では枯渇しつつあるのではないでしょうか。わたくしはそう言い続けたいです。理由は広く浅い学問への支持がなくなって来たからです。
日本の科学の実力は素晴らしいものなのに、それが非常な苦境におちいっていることがなかなかわかってもらえないのです。
実情を一番よく分かっている若い教授の人たちがもっと発言しないと。

by yanagidamitsuhiro | 2013-04-02 22:21