2011年 05月 14日
きのうは13日の金曜日でさらに友引とあり気にしないわたくしもすこしは気になりました。 人生おもうようにはなかなかいかないのですから、うまくいかなくてもあまり驚かないのですが、しかし絶対という形容詞がついて大丈夫とか絶対にうまくいくのだ、とあれば珍しくも大切にしたいと誰でも思うものです。 そうですから、iPS細胞に拒絶反応があるという研究成果が論文ででれば、日本ではだれでもあれっとおもうでしょう。そもそも自分の細胞なのでそういうものはない、という話が元々にあって、だからすばらしいのだという応用面での強調点であったのです。しかしものは言い様というか、考えようで、からだに拒絶反応があれば移植がうまくいかない場合には除去されるのだから、すばらしいとまでいう研究者もおります。予想されるように、iPS細胞の推進をして研究費もたくさんもらってるのでしょう。いまの日本、もうずいぶんまえからわたくしのようなiPS細胞の極端な研究費の投入、重視に強い懐疑心をもつ研究者は増えています。わたくしにとってはすこし前のiPS細胞のリプログラム化はクロマチンだかDNAの修飾レベルではかなりひどくばらついている、という結果はさもありなん、再生臓器治療の方向の研究はむずかしいな、と強くおもったものです。iPS細胞の発見はもちろんすばらしいもので、そのことを否定する気はもちろんありませんが、いまの日本、応用面に夢中になりすぎではないか、ということです。 しかし、いちばん問題なのは研究費の世界に戦争中のような巨大な戦艦をつくるような一極集中をもってきたことです。いいたくありませんが、たいへんな禍根を残すでしょう。絶対大丈夫という原発関係の研究者とおなじように日本の浮沈がかかるかのようなiPS細胞研究推進への傾斜は一刻も早く修正すべきです。オールジャパンの一致団結でなく、ひとりずつ自由に意見がいえるのが研究の世界のよさです。そのうえでの理由を立てての重点化推進化なら文句をいう理由がないでしょう。世論の反動も甘く見てはいけません。iPS細胞細胞といっているうちにもっと先のほうに世界の趨勢が進んでいるのではないでしょうか。生命の学問の世界をなめてはいけません。なにかの機械つくるという工学の世界とはちがうのです。 原発一号機ですか燃料は、完全にメルトしていたとの東電の発表です。 なにをかいわんやです。もうずっと前からこの可能性は熟知していたのでしょう。 ただ最後の証拠がないので、ただのいちどもメルトといわなかっただけのことなのでしょう。 これまで膨大な放射能がだだ漏れに原発からかけた水と共に流れているのです。海か地中か、どちらもでしょう。圧力容器と格納容器どちらも漏れがあるとのことです。最後の核燃料まで漏れ続けるのでしょうか。これを深刻といわずして、なにを深刻というのか。 国破れて山河あり。これが大戦のあとの日本でした。 原発水素爆発のあと、福島では山河がありません。どういってあげられるのか。かつてラボにいていま北海道にいるOさんからのメールにもありました。まったくその通りです。 これから山河を失うのはさらに福島以外に出てくるのではないでしょうか。じわじわと漏れた放射能が拡がっていくのでしょうが、どういう径路でどこまで拡がっていくのか。 これだけわからないものを、分かりきったようにいってきた原発学者たちをひとりずつ引きずり出して意見をいわせたい、と思うのはわたくしだけなのでしょうか。 津波の学問をちゃんとやるひとたちが沢山出てきて欲しい、最近よくおもいます。 わたくしは地震学ボスには怨恨というか遺恨があるので極力ここでは話題にしないようにしていますが、でもやはりまともな感性をもった地震学者が増えてほしい、と心からおもいます。
by yanagidamitsuhiro
| 2011-05-14 16:26
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