生きるすべ IKIRU-SUBE 柳田充弘ブログ

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2011年 10月 30日

Tさんの手紙

日曜、雨の一日でした。
こんかいの受章では沢山の人からメールやお手紙を頂きました。
大津の家に来ていた手紙のなかで福井県在住のTさんからのお手紙の一部を紹介させてください。このかたはわたくしが血気さかんな30代半ばにちょくちょく研究室に顔をだしていたのでした。その後、手紙の交換はあるのですが、会った記憶がありません。とても議論好きで元気な人でした。

(前略)さて、このたびは文化勲章の受章、本当におめでとうございます。
文化功労者に選ばれたときから、きっとこの日がくると思っていましたが、実際にその発表を聞いたときは、わが事のように大変うれしく感じました。
先生のブログ[生きるすべ]を楽しく読ませていただいています。
結構、本質をついた辛辣な書きぶりの文章なので、読者としては、爽快で知的な快感を覚えますが、耳の痛い方もいるだろうとおもいます。
それでも先生の業績にたいして、分子生理学、分子遺伝学の分野で本邦初の授章ということですから、無論、先生の業績が素晴らしいことはいうまでもありませんが、今の日本中枢の懐の深さを感じてもいます。
わたくしが○○員のとき、先生に始めてお会いして、話したことで、今も、深く脳裏に残っている言葉があります。
それは、私が、先生に[先生の今の研究は何の役に立つのですか」と伺ったとき、[学問とは、すぐに役立つものではない。何かの目的のために学問があるのではなく、役に立つかもしれないし、たたないかもしれないけど、真理探究の研究それ自体に価値を見出して行っている」と、おっしゃっていました。
目先の功利主義を排する、この言葉は、その後の僕の思考と行動に深い影響があり、先生に生き方を教えて頂いた思いがいたします。
(中略)
最近のブログで興味があり面白かったのは次の内容でした。
原子力発電の事故に関連して、[東大工学部原子力工学科と理学部原子核」の比較、[児玉教授について」、[貧しさの美学]などでした。
福井県は、原発が14基もある原発集中県ですが、美しい国土を破壊する原発事故が起きても、まだ、財源を原発に頼ろうとする自治体があるのを見ると(略)浅はかさを感じます。先生がおっしゃるように、まずしくなったら、肉体労働を厭わないくらいの気概が必要です。原発による財源補助があっても、決してその自治体に新しい産業が興ることは無かったし、補助自体がまるでなにかの麻薬のようです。(中略)エネルギー革命は、石炭から石油に代わったときに、産炭地が切り捨てられたように、原発立地地域もその轍を踏まないとは限らないと思います。(以下略)

最後の部分、まったくその通りだと思いました。
原発集中は福井県というよりは若狭地域というほうがより正確で、福井北部は地場産業もいろいろあるのですが、南部の京都や滋賀と接する若狭は、原発が一番の産業なようです。
これから福井県が、福井県庁が若狭振興についてどういう方針をたてるのか、わたくしも多大な関心をもっています。
そういえば福井県立大の学長の下谷さんも同じ町内で勤務時によくあってよもやまばなしをしたものですが、最近会っていません。ぜひはなしを聞きたいなと思いました。

by yanagidamitsuhiro | 2011-10-30 18:08


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