2006年 12月 22日
杉野教授の懲戒免職についてなにか書こうと思ったのですが、どうも気が重くて書きにくいので、もうすこし頭がこの件で前向きになり、整理されてから書くことにしました。 懲戒ではないですが、事実上解任された本間教授のほうも、身辺があまり清潔でない印象を与えてしまった以上誰も彼を救えなかったのでしょうが、彼が税務調査会長を辞めて溜飲を下げてる人達と同列ではいたくありません。政治に巻き込まれるのはいやなものだなと、思うだけです。 それで、きょうはわたくしの身辺のことを書くことにしますと、今月初めに今年なった病気として「良性回転性めまい」のことを書きましたが、これは一過性でした。また再発するかもしれませんが、いまは忘れています。 もうひとつわたくしが今年の10月に京大病院でA医師に宣告された病気は糖尿病です。いそいで付け加えると糖尿病特有の病状はなにもでていませんが、しかし、長年の境界型を脱して糖尿病と診断されてしまったわけです。あいまいな状況が20年も続いていたので、ある意味、せいせいしたというか、これでだれにもわたくしは糖尿病患者といえます。犯人が自白した心境は分かりませんが、それに似たような心境です。 この病気になってる人、もしくはなりかかっているかた、もしくは正常ではないので糖尿病との境界にいる人はたくさんいますし、このブログの読者にもおられるでしょうから、折々にわたくしのケースについて、書いてみたいと思います。闘病記というにはほど遠いのですが、でも努力記というにふさわしい物語になるでしょう。 このあいだこられたHershko博士に彼が医学部で糖尿病を教えているので、わたくしも実は、と話しましたら、彼は言下に「糖尿病はなにもわかっていない、遺伝子レベルでわかってることはほとんどない」と宣いました。こういうひとことが色んなことを理解するうえで大変、役にたちます。なるほど、遺伝子レベルで分かってることはどういうことがあるのか、かれはすこし誇張して言っておられたのか、それとも本質的に彼のいうとおりなのか、これから糖尿病をまなぶうえでの一種の羅針盤的役割を果たしてくれます。わたくしも、発がんとかそういうことなら、なにか気がきいたこともいえそうですが、糖尿病となると、さっぱりです。 わたくしのケースは、血糖値はいわゆる境界値にぎりぎりおさまってましたが、HbA1Cなるヘモグロビンのなかで糖と結合したものの値が多いのです。10月に測定したときで6.8ありました。このHbA1Cの値は、健康診断で始めて測定された40代半ばの頃で既に6.3くらいありましたので、もう20年間も警告され続けて来たわけです。最初の頃はいちおうブドウ糖を飲んで血糖値の上昇と低下のパターンの検査もやりましたが正常なので、その後はほったらかし状態でした。目とか腎臓とか糖尿病で出てくる症状はないので、だれでもほったらかしがちですが、もう20年もほったらかしで、今日来たわけです。 今年、65才になった4月に、この高い血糖値と正面から向かい合うことに決心しました。症状が出てからでは、遅いということくらいは知ってるからです。 といっても多忙でなかなか腰が重かったのですが、かつて研究室にいたK医師のすすめもあり、専門医のA医師の診断を仰いだのが10月です。 その時言われたのは、 いちにち1500キロカロリーの食事でやってください。 腹8分目でなく、7分目で。 ゆっくり食べること。 一日1万歩歩くこと。 血圧を毎日測ること。120台でいたいですね。 お酒は極力控えめに。 これらが著功を示さなければ、お薬を飲みましょうというものです。 わたくしは、これにほとんどまともに挑戦することに決めました。ただ、わたくしにとって急激すぎる挑戦は失敗の元なので、自分で勝手に1600キロかローリー弱と読み替えたのと、お酒は週末は飲みたい来客時は飲みたい、徒歩は毎日ではなく、一日一万歩の日を顕著に増やすということしました。 この糖尿病は一生の病なので、一生つきあっていける自分のルールにする必要があります。挫折はしたくありません。禁煙の時の教訓です。 これだけのカロリーでは体重の減少は必然です。わたくしは、このことあるのを予想して春先からぼちぼち減量を開始して、9月頃には4キロほどの減量に成功していました。そのうえで、この1500キロカロリー作戦が始まったわけです。 11月のなかばにはとうとうわたくしの体重は高校生時代と同じになってしまいました。特に体調がおかしくはなりませんでしたが、でもこのやすやすと体重がさがっていって、春から見れば8キロも痩せてしまったのにはほんとうに驚きました。運動ではまったく無理だった減量がカロリー作戦を始めるとかくも容易に体重のバリアーを越えてしまうとは。しかし、カツ丼とか親子丼、あんパンとか、この減量作戦以降まったく食べなくなった食物はたくさんあります。 高校生から20台のおわりまでの頃は、暴飲暴食してもその体重で維持されてましたが、いまはカロリーを暗算しながらの毎日です。 65才にして、新たな人生が始まったことは間違いありません。体重はすくなくとも、青春時代に戻りました。 糖尿病にこころから感謝したい気持ちです。
by yanagidamitsuhiro
| 2006-12-22 16:58
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