2007年 09月 18日
自民党総裁選、もうあきました。あきあきしました。 やはりお二人の候補者、それほどの役者でないので、おもしろいはなしはすぐネタ切れでした。 一日あれば充分でした。あとはおなじようなお話しばかりです。こんな感じで今週末までテレビも他の報道も総裁選づけになるのだとしたら、ほんとうに愚かしいかぎりでしょう。 麻生さん、ちょっとトッチャンボウヤ、かな。福田さん、品がいいしユーモアもありますが、本当に首相の重責を年の長さで担えるのでしょうか。山崎とか古賀さんとかそういうおぞましい感じのひとたちが陰で仕切るようになるのでしょうか。 それよりも、安倍首相、どうしたのでしょう。まったく出てきません。マスコミはこっちを徹底的に追求すべきです。一年前には支持率が70%もあったのです。近未来のモデルケースとして、どうして辞めたのか、どうしていまになっても出てこないのか、国民に謝罪もできないのか、追求してほしいです。ヒゲをはやしたのや、あたまのつるつるした政治評論家たちは病気だから、病気だからといってます。かばっているのならそれはたいへんよくないです。政治家は特に首相は病気になっても逃げるのはいけません。 福田さんが一年後にこうならない保証はありません。マスコミもぜひ安倍首相の「謎」を解明して欲しいものです。 きょうは、非常にいそがしいです。研究面もいろいろあるのですが、午後にいよいよこの建物の工事担当者さんたちとの話し合いがありました。松村組がたんとうするということで、いろいろ説明をうけました。これでやっと、イメージがはっきりしてきました。 9月7日に書いたブログに説明責任の発生したJSTの戦略研究がありました。このことについて、JSTの北澤 宏一理事からけさメールを頂きました。 以下に北澤さんからのレスをそのまま貼っておきます。かなりの長文ですので、きょうはとりあえず、ここまでにして、わたくしの意見はあした以降おりおりに述べたいと思います。北澤さんは当該研究の担当理事でして、わたくしも学術会議やJSTの会議などでお会いしております。 柳田充弘先生ブログ(2007年9月7日)へのレス 北澤 宏一 スイスでの国際会議より本日戻りました。JSTの「戦略的創造研究」についての先生のブログ2007年9月7日の「説明責任が発生した、JSTの戦略研究事業」にレスするのは私が最も適当と思われますので、個人的立場よりお答えしたいと思います。なぜなら公式の立場からお答えすることは時間もかかり、そのうえに先生が本当に疑問と思われるポイントについて多くの関連者の合意ができるお答えができるかは明らかでありません。さらにそのうえに、先生のブログ流にいえば、本来「公式の見解」など存在していないことが多いものです。たとえば「法人としての大学の答えを問う」と言われでも、自分がその草案を書く立場になって考えてみればご理解いただけると思います。私の立場はこのJSTの「戦略的創造研究推進事業」の担当理事(プログラムディレクター)ですので、この事業をきちんと把握していなければならない責任者の立場です。。 一言で申し上げますと、先生のご指摘はJSTにおける私や担当者たちの大きな悩みと現在の苦労をずばりと突いておられるとともに、先生の解釈にも大きな誤解があります。誤解というのは先生が「戦略創造制度はこう機能すべきだ」と思っておられることに対して「現実はそのような制度と規定されていない」ということであります。両面から、以下にレスします。 「説明責任が発生した、JSTの戦略研究事業」と題して記された先生のブログの趣旨を私なりに要約してみますと: 1)戦略創造研究のひとつCRESTは5年間も研究できるとても恵まれた研究費だ 2)しかし、10倍から20倍を越すようなため息の出る競争率だ 3)ところが、今年は応募が5件で採択がゼロ、6件で採択4件、8件で採択4件といった領域があった。これらはその他の領域が高い競争率にあえいでいるのに対して、領域内要の設定が間違っていたのではないか? ということになりそうに思います。 私たちの現在の取り組みと悩み、あるいは苦労を以下に記します: 1)最大の問題は「戦略的創造研究」と「科学研究費補助金」とが異なることから発生します。日本の基礎研究費には大学の運営費交付金から賄われるものと競争的研究資金としての基礎研究費としての「科研費」が約2000億円、目的基礎研究に分類される「戦略創造」500億円、および、やはり目的基礎研究の厚生科研費も500億円などです。 2)「科研費」は「研究者の自主創意に基づく基礎研究を認めて欲しい」という研究者の願いを反映して予算2000億円が措置されているとも言えます。これに対して「戦略創造」のお金は「科学技術の将来を研究者にだけ任せておいていいのですか?社会や産業のニーズなどを考えて国から研究者にこのような研究を是非やってもらいたい、ということはありませんか?」とJSTが国に問うて、さらにもう500億円を貰ったものと言えます。このため、科研費には条件がつかないのに対して、戦略創造では各研究領域に国の「戦略目標」と領域の運営方針とが記されます。このような付加条件が最近非常に拘束がきついという評判を研究者から得ているものです。非常に細かに規定された研究達成目標の下に募集が行われる領域があり、「自分が応募できる分野がまったくない」と感じる研究者も多いことになります。 3)私は個人的には「日本の基礎研究費の絶対額が純粋基礎研究および目的基礎研究ともに3倍くらい不足している」と感じています。その理由はあとで述べます。 4)このような制約が生じる主要な理由は行政改革によるものです。すなわち、研究のコミュニティ以外では「研究者たちが自分の好きな研究だけをやるというなら税金ではなくてほかのお金でやれ」という声も国会議員を始め、行政側や産業界、マスメディアなどにかなり強く存在します。このため、2000億円の科研費を少しずつでも伸ばしてくることができたのは、かなりの努力があったと言えます。 5)一方、戦略創造の領域設定では科研費ではできない研究が意識されねばならないことになります。このとき、いくつかの考えがあります。一つは、ある分野が開拓され始めたような場合、その分野を急速に立ち上げることで、研究の成果を刈り入れようとする場合です。これはたとえば高温超伝導物質が発見された初期の新物質開発に投資するような場合です。第2にある分野で日本がかなり強いとします。そのときにこの分野に投資すると、その分野のポテンシャルが世界のトップに躍り出ます。基礎研究はトップ集団でないと大きなインパクトのあるブレークスルーは生じ難いので、世界トップ集団を群団として作り上げるのが第2の方法です。これらの二つの方法はかなりの成果をイノベーションという観点からも得てきていると考えています。 6)しかしながら、ここに来て第3の方式が提案されてきています。すなわち、「研究者の自主性だけではなかなか進展しない」と社会や産業界が考える分野の研究です。それが柳田先生の指摘された分野です。たとえ、少ししか研究者がいなくても、あえて、その分野を立ち上げていこう、あるいは、何らかのものを創っていってもらおうとする考え方です。たとえば、安全性や信頼性の高い組み込み用ソフトウェアの開発といったテーマです。この領域は昨年は大学からの応募があり、採択もされましたが、今年は採択ゼロであった領域です。この領域では応募した大学研究者たちを組織化し、最終年度には本当に実際に組み込めるOSを作り上げようということに領域総括を始め、参加研究者が決意しています。このため、さらにそのプロジェクトに大学研究室が参加することは難しかったのかもしれません。 7)このような領域は、JST担当者たちも非常に心配をしながら、工夫しながら運営を続けています。まず、第1になるべく多くの研究者たちが自主参加するようにワークショップなどを心懸け、プロジェクトの趣旨を周辺の研究者たちに周知していかねばなりません。本年の採択ゼロはそれが必ずしも成功しなかったということもできるかもしれません。ただし、担当者たちはさらに努力して、大学の参加者たちが担当する部分とその間を埋めるための分野にポスドクや関連研究者を雇用し、小さな研究室を秋葉原に作って大学との共同研究を始める、といったことまで現在開始しています。共同研究を指揮し纏め上げる専属の専門家にも参画してもらったところです。大学のパワーを使ってなにかを完成しようというとき、最後の調整部分は大学研究者の弱い部分でもありますので、それを企業や領域設立研究室でカバーしようというものです。 8)この種の研究領域が近年は新規開設領域の3分の1程度に増えてきています。JSTとしてはこのような領域の運営は初めてでもありますので、内部でも賛否両論でもあり、頭を悩ますところです。しかしながら、「ともかく、拒絶しないでやってみよう。」という精神で現在試行中です。プロジェクトが終了するまでにこれらの領域がうまく成果を挙げるかどうか、領域総括をはじめ、JST担当者にとっても、実はかなり心配でもあるのです。現在は、「新たなことはやってみてから反省しよう」という精神です。 9)さらに先生は「JSTの戦略創造のテーマが徐々に応用に近いものが増えてきているのではないか」と心配しておられるように見えます。この点は行政改革問題と「最大のイノベーションはどこで生じるのか」という問題を関連させて考えねばなりません。私は現時点で「最大のインパクトは基礎研究段階で生じることが多い」と考えていることだけをここでは記すに止めたいと思います。
by yanagidamitsuhiro
| 2007-09-18 17:52
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