生きるすべ IKIRU-SUBE 柳田充弘ブログ

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2009年 11月 11日 ( 1 )


2009年 11月 11日

神谷美恵子展、Yukiko Yamashitaさん、Elisa Stone, Sophia Suさん

神谷美恵子展行ってきました。昼ご飯後に出かけて帰ってきたのが2時でしたから、小1時間は見ていたことになります。丹念に手紙や日記の類を読んでみました。
子ども時代から30代くらいまではなんとなく重苦しかったのですが、40代になってからの人生に充足したような笑顔をみてホッとしました。日本における超一流の家庭で育って大変だったのかもしれません。父親が戦後最初の文部大臣の前田多門で、新渡戸稲造とかぞろぞろ偉い人がでてくる幼少期はいくらのびのび育っても、抑圧的だったのでしょうか。それとも気性的にそういう人生の歩みをする人だったのかもしれません。日本語よりもフランス語で考える方が楽だったということや、米国の大学を卒業し、また女子医専も卒業し、これ以上の公的および家庭的教育を受けるのは不可能と思われる方です。高等教育を受ける女性なら一度はこの方に興味を持ってみるのが色々な意味で意義があるのだろうと思われました。本も買おうと思ったのですが、ぱらぱらめくったらどうもキリスト教色がかんじられたのでやめてしまいました。それにわたくしなんか、なんだかんだ行っても男性優位の社会で生きた人間、彼女の本はたぶん読んでいてつらくなるのでしょう。いま育休を取っている長男あたりなら楽に読めるでしょうが。
きのう米国の細胞生物学会のニュースレターが来たのでぱらぱらめくったら、微笑む女性の写真があって、それは山下さんでした。なつかしい。びっくりしたのは、大学院生時代の写真じゃないかと思えるくらいなのでした。もう学位をとってから10年は経っているはずですが、長いこと会っていません。このあいだスタンフォードに行ったときも不在でした。
この学会の若手女性を顕彰する賞を取られたようでインタビュー記事が載っていました。彼女はもちろん日本にいたときも優秀でしたし、よく知られた人ですが、米国にいってから大々的に発展したのです。素晴らしいことです。こういう人がかつて学生さんでいたこと名誉なことです。

そういえばすこし前ですが、おなじニュースレターでElisa Stoneさんの写真も見ました。彼女は米国のRolf Sternglanzさんのところで博士をとってわたくしのところでポスドクで2年ほど滞在したのでした。とてもいい仕事だったのですが、Sds22という遺伝子でCellに最後の最後で駄目になって別なジャーナルで論文を発表したのでした。帰国して二度目のポスドクをして、なんどかジョブを探したのですが、どうもうまくいかなくて結局サンフランシスコで高校教師になって生物学を教えていると聞いています。ニュースレターにでたのは、細胞生物の教育で業績をあげて活動も活発にしていると言うことでした。Elisaさんは思いだすと自責の念がわたくしの頭にもたげます。もうすこしなんとかジョブを探すときに手伝ってあげられなかったのか、そういうことです。いまならもうすこしまともに助力ができたと思うのですが、わたくしも若く未熟でした。
同じようにコロンビア大学で学位をとったSophia Suさんにも上手な手助けをしてあげられなかったような気がします。いまは彼女は母国の台湾に戻って、アカデミックな仕事をしているのですから、ハッピーなのかもしれません。しかしもうすこしわたくしがいいアドバイスができなかったのかと思うことがあります。エリサさんもソフィアさんもおやごさんにも会っています。
世界中どんな国でも遠く離れた娘のことを思う親の気持ちは同じなのです。期待と不安、そして早く戻って欲しい、入り交じった感情をおやごさんから強く感じたものです。
ソフィアさんの業績はほとんど注目されませんでしたがいまのわたくしが沖縄でやっている研究の原点にもなるものです。彼女のことをおもいおこすと申し訳ないと言う気持が起きてくるのです。理由はうまく説明ができないのですが。

by yanagidamitsuhiro | 2009-11-11 15:58